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何かしたり何もしなかったり

君は月の表側を見たか?/月姫リメイク感想 前半ネタバレなし、後半ネタバレあり

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というわけで月姫 -A piece of blue glass moon-の全ルート(バッドエンド含む)をプレイしたので感想を綴っていきます。

 

タイトルの通り前半はネタバレなしで進行しますので、気にはなるけど足踏みしてる人の参考になれば幸いです。

※ガチで何の情報もなしで触れた方が楽しめると思っている派なので、すでにやる予定の方は引き返してください。

※1周してすぐ書いてますが、多少の記憶違いは許してください。感想は鮮度が命だと思うので。

 

一応の参考として、ぼくは以下を摂取済みです。

・オリジナルの月姫(記憶がおぼろ気)

月姫漫画版

メルブラAA

魔法使いの夜(記憶がおぼろ気)

月姫の話なので、fate系列は割愛

 

ネタバレなし部分

まずですね。

 

これは新作だと考えて欲しいです。

なぜなら新作だからです。

 

本作にはルートが3つありますが、その内2ルートはマジで見たことない展開に突入します。オリジナル月姫既プレイ民もぜひやってください。

 

めっっっっっっっっっっっっっっっっっちゃくちゃ面白かったです。睡眠時間には気をつけてください。本当に、マジで。

 

シナリオ、テキストについて

ネタバレなしで書けることは本当になくて歯がゆいんですが、FGOとか他の型月作品の世界観や言い回しとかが好きなら間違いなくハマると思います。

あときのこ……Thank you…………

 

演出について

これが本当によかった。

基本的に背景+立ち絵で進行して、重要なシーンで一枚絵を使うというノベルゲーやギャルゲーでよく見る手法なんですが、それを全く感じません。

 

どういうことかというと、立ち絵がめちゃくちゃ画面内を動き回るし、立ち位置もくるくる変わるのでノベルゲーとは思えないぐらい画に動きがあります。ほぼアニメです。

 

特に戦闘シーンの表現が上手くて、キャラクターが攻撃を受けて吹き飛ばされ、地面をバウンドしながら壁に激突する動きをそのまま出してきます。何を言ってるかわからないかもしれませんが、すごくすごいということです。

 

ただ、魔法使いの夜をプレイ済みの人に対してはあそこまでグリングリン動くわけではない、と書いておきます。ハードル上げすぎてもよくないので。

 

でも本当によく動くし、どれが立ち絵でどれが一枚絵なのか分からなくなるぐらいうまく作られていることは確かです。

実際、終わったあとにギャラリー見ても何がどこで使われてたのかよくわかりませんでした。雑魚なので。

 

絵について

めちゃくちゃ良かったです。

 

オリジナルプレイ民の感想になってしまいますが、絵柄やデザインは今風にリファインされてるのにポーズや表情はそのままの物が多く、懐かしさと新しさで感動しました。

 

比較なしでも、演出のよさと相まって敵も味方も脇役も新キャラも、全てのキャラクターがめちゃくちゃ魅力的に描かれていて素晴らしいです。

特にとあるイカれたキャラクターの表情がね、あのー良かったですね(ふんわり)。

 

ボイスについて

良かった……。

ぼくが前の声優さんにめちゃくちゃ拘りがあるというわけではない(もちろん残念ではありますが)というのもありますが、すぐに馴染みましたし、適役だったんじゃないかなと思います。

 

月姫はどのキャラもかなり演じなければならないシーンの幅が多いと思うんですが(特に志貴)、シーンによってキャラの声はそのままに全然違う感情表現や声色が見られて最高でした。

 

特に■■を演じた■■さんの声にめちゃくちゃ凄みを感じました。やってない方は是非やってあーあの人かな……となってください。よろしくお願いします。

 

あと個人的に感情を揺さぶられたのが、モブキャラのボイスです。

 

この月姫という世界、モブキャラが■■されたり■■されたり■■されたりと、まー酷い目に遭うんですが、そのときの叫び/命乞い/断末魔/呻きがガチすぎてこっちが辛くなってくるレベルです。

もちろん、モブキャラ以上にメインキャラも酷い目に遭うのでそこは安心してください。

 

システムについて

ここだけちょっと不満ありました。

ノベルゲーの基本的なシステムは完備されてると思うんですが、『次の選択肢までスキップ』がないので最後フローチャートやバッドエンドをコンプするときにちょっと面倒でした。普通にプレイする分には困りませんでしたが。

 

あと、バックログからボイス再生できないのでちょっと聞き返したいときにうーんとなりました。ちなみにバックログへのジャンプはあります。

 

とはいえ、2つともめちゃくちゃストレスということもなかったので、気にするほどではないかなと。

 

 

その他のこと

Q.どのぐらい時間かかったの?

プレイ時間は1ルート目にだいたい18時間、3ルートやるのに40時間くらいかかったと思います。

 

怒られが発生しそうですが、どうしてもボイス終わるまで待つのがストレスに感じてしまうので、ボイスを全部きっちり聞いてはいないです……。かつ、時々フローチャートやバッドエンド踏むために巻き戻ったりしながらの時間です。

 

一応自己弁護しておくと山場のシーンとかはちゃんと聞いてます。

 

Q.前後編分割ですよね? 後編出てからでよくないですか?

よくないです。全くよくないです。まず前後編分割ではないです。

 

マジで月の表側と裏側の話なので、別側面であって前後編ではない、どういうこと? どういうことなんですか?

もちろん人によると思いますけど、ぼくはプレイしてみて『この神クオリティは安心して待てる! 当然早い方が嬉しいけど、待つのでマジで頼むぞ!』という気持ちになったので、ただ待つよりプレイすることをおすすめします。

 

あとネタバレ食らってからやるよりその前の方がよくないですか? って話とか、裏側出てからプレイしてみて『神…………(天を仰ぎ胸に手を当て涙を流す)』ってなっても、初回限定盤にしか付いてない月姫マテリアル(設定集)が読めないとかなったらキツいと思います……。

 

Q.万人に勧められる?

マジで18歳以上の誰にでもやってほしいんですけど、R-18になっているのは伊達ではなくて、まー結構グロいので血とか痛いのとかがダメな人はさすがに厳しいかもしれません。そこはいかんともしがたい……。

 

Q.お金and/or時間が足りないです……

わかりました。おいしいシノギを紹介します。

 

真月譚 月姫(1) 佐々木少年

 

これを買ってください。以上です。

 

 

 

 

 

……ごめんなさい、ちょっとふざけましたが、漫画版月姫は素晴らしい作品なので、月姫に興味はあるけどゲームはちょっと重い、という人にはおすすめです。

 

ただ、ゲームのメインルートをベースにしてるので、ゲームの方はヒロインが5人(の内2人が本作)いて単純計算で漫画の5倍の広さの世界である、ということは覚えておいてください。要するにゲームも最高なのでやってよ~~~~~~~~~~(泣)(泣)(泣)(泣)(泣)

 

 

 

 

その他気になることあったらTwitterかコメントくだされば追記します。

 

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さて、ここから先はネタバレ込の感想になりますので、未プレイの方はお戻りください。

 

 

 

 

 

 

 

 

いいですね?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ネタバレ感想

記憶がおぼろ気とはいえ、一応オリジナルプレイ済みなので月の裏側のネタバレになり得そうな箇所は透明にしておきます。大丈夫な人は反転させて見てください(古の文化)。

 

あとスーパー予防線なんですけど、別に型月ガチ勢ではないので間違いあっても怒らないでください、本当に。

 

 

アルクルート(1ルート目)について

はー…………かわええ……………………となった、なりました。

 

アルク、こんなにかわいかったか?????

志貴と一緒に反則だろこれは! という気持ち。

 

それはそれとして、1ルート目ということもあって基本的な流れは変更されてなかったですね。

一番大きい変更点はやはり、ヴローヴ……ですよね。

 

いや、ヴローヴもめちゃくちゃかっこよかったし、悪いというわけではないです。むしろめちゃくちゃ良かった。

ヴローヴは七夜が嫉妬するほどの腕を持つ騎士だった、その騎士としての直感が死徒としての能力を上回るのがまた…………。声もね、社長

 

とはいえ、今回の超絶クオリティでネロ・カオスを見たくなかったといえば嘘にはなります、はい。吐き気がするほどグロテスクな音を立てながらホテルで客を食い散らかす獣、見たかった……。

 

あとは新キャラ勢。

阿良句博士、阿良句のテーマ(ハイ)が良すぎる。アルクルートでは影薄かった(キャラは影が#000000になるぐらい濃い)けど、月の裏側で活躍するんかな~~~~~~~とか思ってたらね、シエルルートでアレなんですわ。おい。

 

そしてマテリアル見たら『阿良句寧子』って。いやそりゃアラクネか……とは思ったけど適当すぎる。

 

斎木は天才だと思った。何がかというと喋り方です。

見た目が怪しいから、というのがあるとはいえ、最初に遠野邸で話しかけられた瞬間から『このキャラ不快だ……』と感じさせられて感動してしまった。

常時志貴を見下しているあの喋り方、本当にすごい。

 

斎木こそ本当に月の裏側で重要なキャラだと思うので、楽しみですね。

そうそう、書斎ではよくも殺してくれたな、ボコボコにしてやるから月の裏側来いよ(BAD END)

 

斎木つながりで言うとりお、見た目がいいですね。冷たい感じもGOOD。

何を選んでも繁華街に行ってしまうシーン、なぜりおがいたのか……。そもそもなんで屋上で暮らしてるのか…………。マテリアルで『天敵:七夜黄理』って書いてありますけど……あれ、それって今書いていいやつなんですかね…………。

 

 

…………アルクルートの話じゃないですねこれ。

いやしかし、いわゆる名シーンはそのまま残しているのがニクい。

『好きだから、吸わない』なんだよ………………。

 

あと結局好きなのは『――今度は、帰ってこられない』です、こんな厨二病ココロをくすぐるセリフあります?

この辺は漫画月姫の記憶がかなり強いので、そういう意味でもめちゃくちゃ興奮しましたね。

 

月リメやったけど漫画読んでない人はぜひ読んで欲しいです。

アルクルートをベースにしつつ、それ以外のルートの要素を絶妙に混ぜ込み、しかもラストでは――――を入れてくるという神作品です。

ただまあ、多少は月の裏側で出てくるであろう話も含まれるので、その辺は……各々で判断してもらって……。

 

 

シエルルート(ノーマル)について

はー…………かわええ……………………となった、なりました。

 

シエル、こんなにかわいかったか?????

志貴と一緒に反則だろこれは! という気持ち。

 

というか、何このルートは!?!?!?!?!?!?!? 知らんキャラと知らんキャラが知らん展開やってるけど???????????

 

はい。

シエルは特にデザインのリファインが大きかったな、と思います。

幼い印象になったというか、肉体的にほぼ12歳という話がマジだとすれば本当に発育――――――いえ、なにも。

 

茶道室の正座するシーン、さすがに見えちゃう見えちゃうって焦って集中できなかったので、あそこは嘘でもややスカートを長くして欲しいです。

 

ヴローヴとの戦闘シーン、非常に良かったですね。そら志貴もSTYLE。となります。

 

おふざけは置いておいて、正直オリジナルのシエルルートのこと全く覚えてなかったんですけど、めちゃくちゃいいシナリオで泣きました。

 

教えてシエル先生のまんまではあるんですけど、眼鏡を外す/外さないのシーン、どう考えても外さない方が正しいですし、実際そっちがノーマルエンドとはいえ、外したときの成るべくしてなったビターエンド感もかなり好みでしたね……。

 

そういえば眼鏡を外さないことを選択できないパターン、遡ってノエル先生の口車に乗ってしまうと遠野家で悲劇が起き、眼鏡を外せなかったんですよね。

あの遠野家の描写が絶妙だなと勝手に思いました。

秋葉と翡翠は死んでいる、もしくは相当な重症を負っている中で、琥珀さんだけが普通にいるのって月の裏側で語られるべき内容だと思うんですけど、『死徒化したが階梯がある程度高いので生活できている風の琥珀さん』なのか、『"魔"への接し方に慣れているだけの琥珀さん』なのか、そもそも秋葉と翡翠の状態は現実なのか、色んな可能性が考えられる気がして良かったですね……。

 

そして何より、ぼくがシエルルートで株が上がったのはノエル先生でした。阿良句お前ほんま

 

月姫世界、異常者ばっかりじゃないですか。

星そのものから力を得る真祖。

死なない体と絶大な魔力を持つ代行者。

永遠を求め転生を繰り返す死徒

――死が視えるだけの"ただの学生"。

 

そんな中で、ノエル先生は驚くほど普通で、悲しくなる程度に強かったわけですよね。シエルも言ってましたが、もっとずっと弱ければフランス事変で"終わって"いたでしょうし、あと少し弱ければどこかでリタイアしていたでしょうし、もっと強ければきっと色々なことを乗り越えられたんだと思うんです。

 

でも、そのどれでもなかったノエル先生は、歪みを抱えたままシエルという支えを頼りに代行者を続けて、ああいう結末を迎えたわけで。

 

型月って自称普通(普通とは言ってない)みたいなキャラは結構いるなかで、本当に普通の"人間"だったなって感じがして、それが堪らなかったですね。

 

 

 

 

 

 

YATTAーーーーーーーー!!!!

 

 

シエルルート(トゥルー)について

怪獣映画かな????????

いやほんと、スペクタクル過ぎるしBGMもCGもアニメーションのさせ方も力入れすぎでは!!!!!!!

 

急にスケールがぶっ壊れて理解が及ばないところも多かったんですが、それを(大渦の中へ)消し去るほどの強いパートでしたね……。

 

オリジナルのとあるヒロインはエンドが2種類あるのに、どっちを選んでも主人公とヒロインのどっちかが死ぬかそれに近い状態になっていたので、こういうハイパー大団円が用意されているのはすごいことだと思いました(作文)。

 

いい意味で同人的というか、多少強引でも作りたいものを全部詰めてやる! シエルに第七聖典を変形させて撃たせる! 太陽光でアルクを焼く! アルクの器を壊して巨大化させる! ロアと志貴とシエルで協力! ハッピーエンド! みたいな力強さがあって楽しかったです。

 

さらっと綴られた、ロアの『千年の恋も冷める』という表現、これ相当なことなんじゃないかなと思いました。

ロアは自身の感情に名前をつけられなかったからこそ、自身の純粋さを失わせた真祖の姫を憎み、転生を繰り返し、アルクに殺され続けたんだと思うので、その感情に恋と名付けられた時点でもう千年の旅は終わっていたのかもしれないなぁと……。

 

 

 

 

教えてシエル先生のエクストラ回について

 

 

 

 

 

 

 

 

 

弓塚ァ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

きのこ、頼むぞ

 

 

 

 

 

 

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