【感想】白昼夢の青写真
こんなにわたしを愛してくれて、ありがとう――
どうも、N.Bと申します。
友人のすすめでプレイした『白昼夢の青写真』(ディスク版)の感想を綴っていこうと思います。
ライフタイムベストの作品といっても過言ではないのでとりあえずやって欲しいんだけど、プレイしないとどういう感情になるのか伝わらないし、プレイしてもどういう感情なのか全く説明できない。
プレイしてボロ泣きした、だから「感動」したんだろう、という推測が成り立つんだけど、今感じているこの感情は「感動」では説明できなくて、でも言葉にしようとしても何かが胸の内でぐるぐる渦まくだけのめちゃくちゃな温度を持った感情なんだなということだけ。苦しい。苦しんでほしい。よろしくお願いします。
やってない人、おすすめ! という意味合いと
この感情をどこかに書き残しておきたい……という意味合いで書いているので、ごちゃごちゃになっててすみません。
あらすじは以下。 ※公式サイトより引用
主人公・海斗は記憶を失った状態で目覚める。
憶えているのは、目覚める直前まで見ていた鮮明な夢のことだけだった。
真っ白な部屋には海斗の他に、自我を失った白髪の少女・世凪がいた。
軟禁状態下で海斗は、自身の夢を記録されていることと、その夢の記録が世凪の救いになること、
さらに、記憶を失う前の自分が、自らの意思でこの環境を望んだことを知らされる。
物語のように進む3つの夢を記録されながら海斗は、夢の進行に応じて世凪がゆっくりと自我を取り戻していることに気付き、自身も積極的に記録に協力するようになる。
3つの夢を見終わったとき、軟禁されていた施設から世凪が姿を消す。
海斗は実験の成功を知らされ、
最後の夢の世界――
“失われた自身の記憶”を追体験することで、世凪と自分の物語を思い出していく。
ネタバレに多少は配慮してるけど、プレイしそうな人は冒頭の公式サイト見るか、下のSteamから買って欲しい。ちなみにSwitch版は11/17発売予定。
この作品は最後の夢の世界・CASE0が本編であり、前半の3つの夢・CASE1〜3の話はこの作品の1番大きな幹とはあまり関係ない、でも超絶重要というわけのわからない、でも必然性がある構成なので、どうしてもの場合はCASE0の部分だけ読まなければ大丈夫かもしれません。
逆にCASE0の部分は絶対読まないで。
CASE1~3は自由な順番でプレイできて、自分のプレイ順はオリヴィア・ベリー→桃ノ内すもも→波多野凛(CASE2→3→1)だったので、感想はその順番で。
あと各ケースごとにボーカル入りのOPEDがある豪華仕様なので、公式のOP貼っときます。見て聞いて。
CASE2 オリヴィア・ベリー
ウィリアム・シェイクスピアは、盲目の父と二人で酒場を営んでいる。
ウィルには“完全記憶”という特技があった。
店に立ち、各地から集る客の話を全て覚え、
それを題材に作話し、ロンドンの劇団に密かに販売していた。
その売上げを足しにしてもなお、父を介抱をしながらの生活はギリギリ。
大した食事もさせられず、日に日に父が弱っていく中、父は久し振りにある食べ物を口にした。
それは当時のイギリスでは最高級食材の鹿肉だった。
ウィルは父に食事をさせるため、ある貴族の庭に忍び込むが、呆気なく捕まる。
とらわれたウィルの前に現れたのは二人の貴族、
オリヴィア・ベリーとハロルド・スペンサーだった。
家主であるスペンサーは即座にウィルを処刑しようとするが、オリヴィアはウィルを奴隷として身請けすることを申し出る。
オリヴィアは座長を務めている自分の一座でウィルの脚本を買ったことがあり、
その才能に気付いている舞台役者だった。
時はエリザベス朝演劇全盛期。
女性が舞台に立つことは硬く禁じられていた。
だがオリヴィアは男装して密かに舞台に立っていた。
女性が座長の一座。
そんな一座に優秀な役者が居着くはずもなく、
オリヴィアの一座にははみ出し物の役者ばかりが揃っていた。
オリヴィアはウィルに、自分の一座に脚本を書き、劇団を存続させれば命は助けると提案。
ウィルは酒場の切り盛りをしながらオリヴィア一座の座付き作家を始める。
唯一史実の人物が出てくるCASE。
登場人物が多くて賑やかで楽しいんだけど、一方で過酷な試練が立て続けに襲ってきてあああああああああってなるCASEでした。
キキかわいいね……。
表現に関するお話が元々好きなのもあって、執筆や稽古周りの部分は読み応えあって良かった。
3億年前に学生だったとき、コメディの演劇やったことあったりするので、初日の感情あーーーーーーーーわかるわかるわかるってなった……。
高飛車貴族だと思ってたオリヴィアが印象が変わってどんどんかわいく見えてくるしウィルは成長していきどんどんイケメンになっていく一方で、だからこそウィルの奥手さがますます際立つの壁殴りポイントが高い。キキとトーマスもそうだそうだと言っています。
・自分の性根が曲がっているせいで、まず最初に酒場の2階でお祈りを捧げるシーン見たときにロブかエドのどっちかが密告する展開ありそうで嫌だ~~~~~~と勝手に思ってた。2人ともすまん。
・オリヴィアの奴隷になった直後、死ぬほどビンタされててウィルうらやmかわいそう。余談だけどスキップモードであのシーン見るとパパパパパンって音ゲーの高難易度曲か? みたいなペースでビンタされて面白かった。
・浅川悠さん、ただでさえオリヴィア、すもも、凛、世凪の4キャラやってるのに男装したオリヴィアの声までできるの本当に理解が及ばないすごさ。
・チンチン!? チンチンってなんだっけ!? の件を擦りまくるの(チンチンだけに)、こんなんズルいだろと思いながら毎回笑ってた。観客のコーレス(?)にまで組み込まれるの反則すぎる。
・ウィルが覚醒してからの演劇に対する有能っぷりマジでかっこよすぎ。
自分の奴隷であるウィルの言うことを呑むのはプライド的に許せないけど、芝居が良くなる可能性には替えれられなくてめちゃくちゃ不服で文句を言いながらもちゃんとその通りにするオリヴィアとのやり取りね~~~~~~~~~!!!!!
特に稽古後にキキとトーマスを飲みに誘おうとするオリヴィアがモニター割りそうになるぐらい不器用でかわいいし、それを心の中で応援するウィルマジ親の心境。
・キキとトーマスを入れ替えたのがブレイクスルーになったけど、訳ありのはみだし者たちが集まって国で1番の一座までのし上がっていくのが結局アツくて楽しくて、王道には王道たる理由があるんです!(他社作品)になっちゃったな……。
・初日公演終わったあと、オリヴィアが遅いな……でもう不穏さを感じたし、オリヴィア視点に切り替わったときにやめてくれ……ってなったしスペンサーでてきて絶望して、さらにウィルの視点になったときにああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!
直接描写あってもぼく自身は耐えられたと思う(耐えられるとは言ってない)けど、プレイ後にコラムコーナー読んで英断~~~~~~とは思った。
・オリヴィアを匿おうとしたときの親父本当にかっこいい。ロブとエドももちろんかっこよかったし、ウィルの周りの大人はみんなかっけぇよ……。もちろんそれもウィルへの信頼があってこそなんだけど。
・スペンサーというキャラクター、物語の立ち位置的には悪役なんだけど、悪意があるわけではなくて独自の美学だけに従っている狂人で、たまたまウィルやオリヴィアが進む道とぶつかっただけっていう描き方がすごく好き。ただしマーロウは殺す。なおエピローグ
・女王に直談判しても変わらないの、そっか…………となりつつ、女王にも変態貴族として認知されてるスペンサーさん……
・普通にハッピーエンドなると思ってたのでとんでもない箇所で終わられて絶句した。
ヒロインごとにルートがあるような構成だと、途中でのバッドエンドはあるものの、ラストはトゥルーかハッピーエンドの2択になるイメージなんだけど、序章として3つのCASEがあるだけで本編はCASE0というこの構成だと、CASE1〜3は躊躇なくバッドエンドで終われてしまうのか〜と感心もした。
それはそれとしてオリヴィア幸せになってくれよ…………。自分は基本的にバッドエンド好きな部類だと思うけど、この作品は幸せになるべき人がそうなっていないと感じさせることが多くて、ハッピーエンド頼む…………って100000000000億回思った。感情移入の鬼。
CASE3 桃ノ内すもも
飴井カンナはガレージにひきこもっている不登校児。
動かなくなったキャンピングカーを自分の部屋にしている。
その車には、亡き母との思い出が詰まっていた。
母を亡くし、カンナは学校に行く意味を見いだせなくなった。
母がいた頃、父が変わってしまう前、三人で過ごした時間――
カンナにとって、動かなくなったその車は、楽しかった過去そのものだった。
そんなある日、教育実習生の桃ノ内すももがガレージを訪れる。
「学校、おいでよっ」
その呼びかけを無視しても、すももは怯まない。
ペースを乱さないすももにカンナは苛立ちを覚え、すももを追い返す。
その夜、キャンピングカーの中で眠ったカンナは懐かしい揺れと温もりを感じて目を覚ました。
「母さん……?」
気がつくと、カンナはすももに抱きしめられていた。
車は動いている。
状況が全く飲み込めないうちに車は停まり、運転席から誰かが降りた。
車を盗まれたことに気付いたカンナは、 窃盗犯・松風梓姫の目を盗んでアクセルを踏み込む。
無免許のカンナが運転する車はさんざん暴走した挙げ句、停車。
炎上したアジトから出てきた梓姫はカンナからハンドルを奪う。
「わたしはオマエの無免許運転にひかれかけた。もっと言えば愛車をスクラップにされた上に住まいも燃やされた」
「面倒ごとが嫌なら、わたしをしばらくかくまえ」
自称スクラップハンターの梓姫は、カンナに条件を突き付ける。
機を見るに敏なすももは、たまたま居合わせたこの好機を逃さなかった。
「じゃ、あたしも!」
「カンナくんが学校に来てくれないなら、今日見たこと全部誰かに話しちゃうかも! あたし口軽いから!」
にんまりと笑うすもも。
不敵に微笑む梓姫。
カンナの静寂な日常はあっけなく崩壊した。
退路を断たれ、年上の女性二人に手綱を捕まれたカンナの新しい生活が始まる。
>年上の女性二人に手綱を捕まれた
ここから感じる最高さが、あります。
ロードムービー風爽やかライトノベル感あってCASE1〜3の中で1番好き。これは嘘ではないけど桃ノ内すももが好きすぎるという要素はかなり強い。桃ノ内すもも………………………………ずっとカンナくんの側にいてくれ……………………………………
周りの大人たちの向いてる方向が違うからこそカンナくんを導いていける成長ストーリーがね、眩しい。そしてカンナくんの眩しさに背筋が伸びるすもも……。甘酸っぱいね~~~~~~!!!!!
・髪切る前のカンナくんかわいいし切ったあとのカンナくんめちゃくちゃショタ!!!!!!
・美人なんだけどあちこち残念なんだけど根っこは善人で優秀なキャラ好きにならんやつおるか? いるわけないでしょうが!! 梓姫さん最高でしょうが!!!
・引火ああああああああ!!!!!
・プロローグ部分ですでに純情ビーム放ってこられると、その後全てのありとあらゆる展開がニヤニヤになってしまうので脳が破壊された。ほんとすもも好き……
・ガレージで梓姫に絡まれるシーン、えっこんなとこからエロシーンに突入することあんのちょっと待ってちょっと待うわああああああああああああああ汚えええええ!!!!!!!!
・カメラ構えたカンナくんジゴロすぎ!!!!!!! もっとやれ!! もっとすもものこと褒めろ!!!!!!!!!
・CASE2でも同じこと思ったけど、周りの大人がみんなタイプは違えどいい人たちばっかりで夢みたいにきれいで泣けちゃうな。
・父親とのお互い不器用な関係がやっぱりすごくいい。中盤全く出番がないのにこれだけの印象を与えられるのは匠の技というほかない。
・でもCASE2やったあとに出てくるスペンサーって名前は怖過ぎてヒッてなった、カンナくんちゃんと首繋がってる? BOY触られてない? 大丈夫? なおエピローグ
・福島であんだけイチャイチャしといて「すももは僕のことをそんな風に見てないよ」にはさすがのぼくもモニターを100000000枚割ってしまいました〜~〜!!!!!!!!!👊👊👊👊👊👊👊💥💥💥💥💥💥
・お父さんにカンナくんのこと頼まれたからな〜……からの悪いことしちゃおっか……で心の臓。全年齢版ではどうなってるんだろう。
・わだかまりが解けたとはいえ、父親の目の前で告白かますカンナくん肝据わりすぎ、100000000点!!
・別れのシーンではあるものの再会を約束してるしハッピーエンドだねぇこれはぁと思いながら、えっCASE3の冒頭って回想入るところからだったよな? と思ってすぐに見直したら数年後と思われる冒頭ではしっかりすももの声が低くなっててうわ浅川悠すごすぎ…………ってここでも驚愕した。それはもう作品全体の話でもあるけど
CASE1 波多野凛
有島芳は45才の非常勤講師。
かつては小説家を目指していた有島だったが、大学時代に出会った波多野秋房という先輩との筆力・人間力の差をまざまざと見せつけられ、その夢を捨てた。
今は編集者である妻の侮蔑の眼差しをうけながら、代わり映えのない毎日を送っている。
ある日、有島の大学時代のゼミの教授が他界。
有島は告別式で、自分の勤め先の学園の生徒の姿を見つける。
その女学生・波多野凛は、大学時代の有島から筆を奪った波多野秋房の娘だった。
告別式で会ったことを機に、有島と凛は図書館で言葉を交わすようになる。
「あなたの書く文章を、私は読みたい」
凛が有島に投げかけた言葉は、かつては妻が言っていた言葉だった。
生徒への背徳的な恋心と、冷め切った夫婦関係への諦め。
その狭間で有島はもう一度筆をとり、書き始める。
他のケースと比べてかなり暗いし、だいぶ好みが分かれそうな話。
45歳妻帯者非常勤講師と女学生の許されざる恋というだけで結構フック効いてるうえ、キャラクターとプレイヤーの倫理感が問われるような出来事がかなり起きるため。しかしそれもCASE0をやって背景を理解すると……。
全体を通して死の臭いがずっと付きまとうし、乾いた独白が多いからハマる人にはとんでもなくハマりそう。疲れ切った中年男性の過ごす、弾力を失って惰性で過ごす毎日に心当たりがある人には特に。
波多野凛、大人びて妖艶な一面と年相応かそれ以下の少女らしくかわいい一面と恐ろしいオンナとしての一面とが複雑に絡み合っていてとんでもない魔性の持ち主。有島先生に対していやそれはちょっと……と思う気持ちと相手が波多野凛だからしょうがないわ……と思う気持ちがある。心がふたつある。
・有島祥子の声めちゃくちゃエロいからそういうシーンあったら嬉しいな、まぁでもこの感じじゃ期待できないよな〜 →そうじゃねぇよ…………………………おい………………………………
・CASE3の年齢差ですらすももが犯罪だよね〜って悩むところあったのにこのCASEときたら……。確かに悩んではいたけどさぁ! ただそれも波多野凛の魔力ではあるし……
・軽薄なようで人をよく見ていてつかず離れずの一番心地いい距離を測れるし倫理感がちゃんとしててそれでいて人の行動にはケチつけないし大事なときには協力も惜しまない渡辺良いやつ過ぎる……そしてCASE0での納得感もすごい…………
・「自分では自立した大人のつもりだし人からもそう見えていて欲しいけど、実際にはもう二度と会えない嫌いだった親の庇護下にあることに気づかされて羞恥と情けなさに襲われる」シーン、衝撃だった。凛の見え方が一気に変わってしまう。
そして有島がどう対応するのが正解だったか悩むけど、十分な対応してるだろ……と感じた。そういう経験がないからよくわからんけど。普通ないな?
・でも正直、自分が老いたせいか社会通念に背く行いを許容しにくくなっているかもしれない。
有島先生クズだな〜と思うけど、子どもの頃から成長してない大人である自分のことみたいで嫌いなのかもしれないとか思うとダメージでかい。
・親からの愛情を感じられなかった波多野凛が初めて愛情を感じられて幸せを掴みかけたところで、じゃあそれを自分の子どもに与えられますか? という重すぎる問いかけが発生してくるの……………………………………
しかもここで終わり!?!?!?!?!?!??? は???????、!!!!!!?!?!?!? って大声で叫んでしまった。マジで助けてくれ。
というようなところがCASE1〜3の感想。
どれもめちゃくちゃ濃厚で面白かったし、それぞれで短編作品として成立しているのにこれからCASE0やるってどういうことなんだ……? と思ってました。
CASE1〜3やっただけで面白くて神ゲーやん、そう思ってました。
で。
ここからはCASE0の話をするので、未プレイの方はマジで絶対に読まないでください。
おーけー?
CASE0 世凪
時間軸ごとに区切っていこうかなと思います。
具体的には少年編、青年編、研究室長編、現在編。
少年編
今まで語られてなかった世界について語られ始めたけど、希望が小さすぎないか……などと思った。そしていきなり結構つらかった、十分想像できたとしても母親を亡くすのはやっぱりね……。
・出雲出てきたけど、シャチが譲ってくれるわけないしこっからどうなったら出雲と仲良くなれるんだ……? と思ったけど、今考えればそれを取っかかりに展開を予想できてもおかしくなかったかも。物語を読むのに夢中でそれどころではなかったけど。
そういえば結局シャチのオルゴールはなんだったんだろう?
シャチにとって捨てられたことを信じたくないもの……ってことは、家族からもらったもの――もしくは家族にあげたもの、とかかなぁ…………。
家庭で1番になることを過剰なぐらい期待されたせいであの性格、あの末路だったとかそういう……。
・親方初登場でロブ!? ロブじゃねぇか!!!! 性格もだいぶロブじゃん!!!! と思ったけどこれも後から考えると逆なんだよな……。全ての構成がすごすぎる。
・はーパラグルコースとメラノーマ、なるほど……にしてもこの死体を初等部で見せるのは情操教育的にどうなんだろう…………と思ってたけど、これも後から考えると必然性!!!!!!
・小さい頃の世凪、桃ノ内すももそっくりじゃんって言ってたら本当に桃ノ内すももじゃん!!!!
あと世凪の能力……自我を失った世凪……記憶を失った海斗…………嫌な予感しかせんが…………。
・世凪も……ずっとはいられない…………? どうして……………………。
・お母さん………………………………泣いた。親方のあったかさが沁みる。
しかも世凪に関しては失った母親を求めてそれが得られた途端に奪われるし……って書いてみてもしかしてこれも波多野凛に反映されている……? と思ってしまった………………。
・シャチが死んだのに2人とも平気だったけど、2人に血の繋がりはないはずなので偶然2人とも紫外線に強い体質でしたって可能性も低いし、紫外線に弱いってのが嘘なのか? でもじゃあなんでシャチは死んだんだ? と思ってました。いや〜~ほんとにね…………なんという構成力、伏線力……。
青年編
CASE0の中では比較的明るくて楽しかったよね、前半はね。前半だけね。というかむしろ明るかった分だけ後半の重さを感じるという説がある。
・え〜~〜~〜~〜~〜~〜~〜~成長した世凪かわいすぎ!!!!!!!!! ジャケット好き!!!!!!!!!!
・世凪の能力……双方向性……THE GIRL WHO'S CALLED THE WORLD………………ああ~~~~~~~~~~~って感じ始めたし、""白昼夢の青写真""か~~~~~ってなるし、このパートは全てが動き始めている。
・入麻くんめちゃくちゃ見覚えあんねぇ!!! このクソつらい世界で善人確定たすかる。
・海斗と世凪の中層に対しての感覚の露骨な違い、不穏すぎマジで。
・CASE2〜3の内容はそういうことだったのか……え、じゃあCASE1は…………??
・海斗画伯くんのリープくん(狂気のすがた)のコーナーと、出雲の分身アドリブ芸はこのつらく苦しいCASE0の唯一といっていい癒やしでした。浅川悠・三宅麻理恵の両氏に多大なる感謝を。マジでめちゃくちゃ笑った。特に世凪のノリが神。
・絶対に言ってはいけないこと言って世凪を激怒させるシーン、胃がキリキリすると同時に既視感があって、あぁこれ凛と有島か………………。と
・海斗の怒りも分からないではないけど、世凪の言う通り人が変わったみたいだとは感じていて、それが最終的にこの地下都市計画がいかにうまくいっていたかということを示してくるの残酷すぎる。
・昔の家での世凪の語り、声が波多野凛に寄ってるしCGも波多野凛だし部屋が秋房の部屋そっくりだしってことにより「海斗、助けて」という心の声が聞こえてくるのあ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!!!!!!! なる、構成の妙…………。
そして全てが終わったあとに見返すとこのシーンにこの作品の大事な部分が詰まりすぎていてもうぐちゃぐちゃになる。
・行為のシーン前後、「何年待たされるか……」とかその他見たことあるテキストめちゃくちゃ出てきてあ〜〜〜〜〜〜!!!!!!なったけど世凪の作る物語、赤裸々すぎんか?
・世凪の事情はだいたい掴めてきても、結局海斗も記憶を失ってる理由が掴めなくて構成うますぎるな〜って思ってたけど、世凪の自我が失われた原因はミスリードされている……。これ以上ひどくなるなんて誰が思ったよ。
室長編
怒り。
・入麻は本当にいいヤツでほっとする。出雲たん……。
・ノンレム睡眠の思考空間……世凪の自我………………THE GIRL WHO'S CALLED THE WORLD…………………………………………
・「つまり、結局そんな非人道的なアプローチを取るべきじゃないってことだよ」…………じゃねぇだろうが
・世凪の弱音、結果的には入麻の「世凪は人類のためじゃなくて、海斗のために研究に協力していると思う」って発言の方が正しかったってことなんだよね……
・世凪が発症して、遊馬先生はわかってくれるはずだ、という独白を見たとき絶望的な気持ちになった。なぜなら、物語でこういう書き方をされるとき、それは叶わないから……。
セカイ系あるあるだけど、世界じゃなく少女の方を救うことには人類への益はないし、遊馬の考えが間違ってるとは言い切れないよなってのが……。しかも快復するわずかな可能性を摘むわけじゃない、もともと可能性はないんだというところが…………。
・世凪でなくなった世凪に会ったとき、腸が煮えくり返るという気持ちを身をもって理解した。モニターを見る自分の身体がグラついた。創作のキャラクターにこんなに怒りを感じたのは初めてだった。殺すぞ……って本気で思った。
・絶望的な気持ちだったけど、3つの夢を見たとき涙が止まらなくなった。彼女たちもこんな形で世凪を助けることになるなんて思っていなかったろう。
とうとうCASE1~3はどんな物語で、なんのために海斗の記憶を失わせていたのかがわかったけど、知りたくなかったまである。CASE1~3を無邪気に楽しんでいた自分はもういない……。
現在編
すべて。
・ガラス越しに街を見つめる世凪がキービジュアルに使われてるの、エグすぎる…………………………
・目を覚ました世凪を、世凪と呼んでいいのか。自我を人工的に作り出したのは他ならぬ海斗と出雲(とリープくん)になってしまった。世凪を起こすことは、本当に正しかったのか――。とか、考えざるをえない。
・世凪の両親は世凪を愛していたと嘘を伝える海斗……。忘れられないということの辛さを1番よく知っている海斗だからこそ、忘れたい記憶を忘れたままにしてあげるという決断が鮮明に映る。
・もう1番大きい山を越えたと思っていたのに、さらに世凪の体が動かなくなるのひどすぎる。いい加減にしてくれ……。
・親方の話してた、下層に来てくださる優しい医者ってお前だったのかよ……。
・淹れてくれるコーヒーがうまいとか、聞いてほしいって顔に出てるとか、今まで遊馬から海斗に向けていた些細な要素が語りかけてくるのズルいよ。
・遊馬に対して信じられないぐらいの怒りを持っていたのに、里桜の夢が遊馬ばかりなことを見たときはボロ泣きしてしまった。遊馬の演技がとんでもなく良かった。
・なぜ海斗と世凪は太陽に当たっても平気なのにシャチは死んだのか、伏線回収……。
・荒唐無稽にも思える地下都市という計画に対して、これまで見てきた海斗の必死な行動の全てがその成功を示してくるの本当に構成としてすごいし、残酷すぎる。
・花畑に行って世凪が決断して以降、最後までずっと泣きっぱなしだった。本当に言葉にならない感情が渦巻き続けたパート。
・仮想空間に現れた世凪は皆の意識の最大公約数から生まれた虚像であって、本当の世凪じゃないかもしれないけど、それでも、少なくとも海斗が――2人の世凪が愛した海斗が――救われたことは希望を感じられる出来事だったと思う。
エピローグ、あって本当によかった。
彼女たちの物語は物語の外側にある必然性によって悲劇として終わっていたわけで、その必然性が失われたのなら、世凪を救ってくれた彼女たちにも救いがあるべきだと思うわけで……。
これは後付けであって、単にしんどい思いしたみんなが幸せになって欲しいだけ。
というところで、各パート毎の感想は以上。
本当に感情の揺さぶられ方がえげつない作品だった、終盤の展開でぐちゃぐちゃになったし終わったあと呆然としてしまった。
全体を通して、浅川悠すごすぎる………………。世凪の声色何種類あるんだよ…………。
全く触れられなかった謎として、海斗の時代では名字が存在しないっぽいのが結構気になってはいる。
遺伝子を弄り回すようになってから血の繋がりという概念に意味がなくなったからなのかなぁと勝手に想像しているけど……真相は深い穴の中。
あとは全員買ってそうだけど、boothでサントラは買った方がいい。死ねるので。
読んでくれてありがとう。
全てを吐き出したので、ぼくが1番死んだInto Gray歌詞を置いて終わりにしようと思います。
夜明けはあなたにだけ